何がいけなくてお腹を壊したのかはわからないけど、気分が悪くなったり、お腹を壊したりする。「食べ合わせが悪い」と良く聞くが、相性が悪いものを食べたのだろうと、私は深く考えない。だけど、「観合わせが悪い」現象をついこないだ映画館で経験した。これには非常に傷ついた。
作品は「ウインド・リバー(’17)」
評判が良くてずっと観たいなと思ってたこの作品を雨の中、少し遠い映画館に観に行った。
ネイティブアメリカンの保留地で、野生生物局の白人ハンターのコリーがある少女の遺体を見つける。地元の部族警察官は新米の女性FBI捜査官・ジェーンを迎え捜査に乗り出すが、孤立した雪深いこの大きな土地で捜査するには人手と知識が少なすぎる。FBI捜査官ジェーンは、雪山を知り尽くしたハンターのコリーに捜査協力をお願いする。見つかった遺体の少女は裸足で大雪にも関わらず軽装だった。彼女は何から逃げて、誰によって殺されたのか、私たちの知らないアメリカの孤立した闇や人種問題にフォーカスした社会派サスペンスである。
野生生物局のハンターを演じるのは「ハート・ロッカー(’10)」でアカデミー賞主演男優にノミネートして話題になったジェレミー・レナー。新米のFBI捜査官を演じるのは、エリザベス・オルセン。彼女は「フルハウス (’87~’95)」のミシェル役を演じた双子のオルセン姉妹、二人の妹だ。最近ではジェレミーもエリザベスもアベンジャーシリーズに出演してるから、ファンからすると「ウインド・リバー」は嬉しい作品なのかもしれない。
遺体で見つかった少女の父親役をギル・バーミンガムが演じたが、すでに映画の前半に出てきた彼がどうしても気になった。自身がネイティブ・アメリカンで、ネイティブ・アメリカン役で出演することが多い。「ウインド・リバー」でも、Netflixで配信されている「アンブレイカブル・キミー・シュミット」にも、彼はネイティブ・アメリカン役で出演している。
「アンブレイカブル・キミー・シュミット」カルト宗教によって3人の女性と共に15年間監禁されていたキミー。被害者扱いをされるのを嫌がり、楽観的な考えだけが取り柄の彼女はニューヨークで生活を始める。正直やってることはくだらなすぎるけど、日本人にとってはアメリカンなジョークに慣れるまで時間がかかって考えさせられる本作。かなりシュールな出来上がりだが、この笑い理解するのがくせになる。30歳手前のキミーの知識が中2で止まってるが、持ち前のポジティブバカに癒される。
完全にコメディのこの番組で彼は、白人女性として生きていくことを決めニューヨークに出てきたネイティブ・アメリカン役のジェーン・クラコウスキーの田舎の父親を演じている。主人公キミーとは接点が少ない役柄で出番は少ないものの、インパクトは大きかった。大きすぎた。
「ウインド・リバー」を観てる最中、もちろん映画は進んでいくんだが、自分の中でマイブームになっていた「キミー・シュミット」が劇中に頭をよぎって、内容に気持ちが入らずじまいだった。そうするうちにだんだんなんでもかんでも、おかしくなってきてしまった。ここでこのセリフはおかしくないか?この間は何?この短期間でこんな絆深まってたのかと、ケチをつける羽目に。
過酷で孤独な土地を映し出す雪景色とか、遠くから監視するようなアングルでの撮影とかには惚れ惚れしたんだけど、自分の記憶力がここまでなかったら、ケチをつけるなんてことはなかっただろうなと悔やんだ。ジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンは個人的に実力派のくくりだったから、自分でこじらせてしまったことが残念すぎた。
この手の映画は、ほとんど人には勧めないけど「アンブレイカブル・キミー・シュミット」を観てしまった人に、これは絶対にオススメしない。完全に「観合わせ」がよろしくない。お勧めするなら、カーハートの店員くらいだろうか。主人公のコリー役はやたらカーハートを実用的に着ていたぞ。私から言えることはそんなことだろう。
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