映画「ブラインドスポッティング」で知ってほしいアメリカ

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2016年4月、私は友人を尋ね、ニューヨークに居た。ドナルド・トランプが大統領に就任する約9ヶ月ほど前の事だった。「まさかヒラリー・クリントンが負けるなんて」と思った就任時の世論の声と、ニューヨークを呑気に満喫してる当時の私の気持ちは、思い返すとほとんど一緒だったみたいだ。

Fishs Eddyという食器屋さんがユニオンスクエア付近にある。行けば何かと頼りになるお土産が見つかるから観光客にも人気だ。自由の女神やブルックリンブリッジの絵が入ったマグカップが定番だけど、歴代の大統領の絵がプリントされたマグカップも同時に人気だ。

そう、当時は大統領選挙前、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンのマグカップがずらっと並んでたのを目にした。別に買わない選択もあったけどお土産に何か買うつもりでやってきたもんだから、しばらく悩んで、ヒラリー・クリントンのマグカップを友人へのお土産として買った。どこか無意識の中で「ドナルド・トランプの就任は、ない」と思っていたからだ。

政治の上部だけで判断して、私が手にしたヒラリー・クリントンが敗因した原因は何万通りと存在するのだろうが、結果的に差別やハラスメントの代表のような人がアメリカのリーダーになってしまった。

黒人ジョージ・フロイドさんが白人警察に身柄を拘束され、首を圧迫され死亡した事件で、アメリカでデモが起きている。デモでも、人が死んで傷ついている。この負の連鎖を、トランプは軍の投入も辞さないと述べた。結局民衆は行き場のない怒りを頼りない政治に向けるのだ。暴力を暴力で抑えたところで何も始まらない。たとえトランプが何を発言しても実行しても、フロイドさんは戻ってこないし、この怒りを暴力的なデモを繰り返すことで解決するとは思えない。だからと言って、何が正解で何が最善なのか分からない。目を背くことが出来ずに、ただ観察している自分がいる。

私は日本に居てマイノリティの孤独を感じることは少ない。ヒップホップもR&Bもレゲエも大好きだけど、彼らが感じてきた不安や恐怖を私は知らない。デモをしてる人の気持ちはそれぞれだが、多くはそんな恐怖をお前も味わえ!なんて言っているわけではない。知ってほしいのだ。知らないことが悪であり、知ることが私たちの第一歩に繋がる。

この事件を知ったとき、映画「ブラインドスポッティング」を今観るべきだと思った。人種問題、銃社会、格差問題、伝えられるアメリカの現実がわかる。たとえほんの一部だとしても観てほしい。

カルフォルニア州オークランドに住む黒人青年コリンは、保護観察期間の残り3日を無事にやり過ごしたい。そんな中、無抵抗の黒人青年が白人警官に追われ打たれる現場を目撃してしまう。この事件をきっかけに、白人で幼馴染の不良の親友マイルズとの間で、見えている現実が違うことに悩まされる。

バラク・オバマが2018年のベストムービーの一つに選んで話題になった今作。「ブラインドスポッティング」というタイトルに二つの味方が存在して片方を見ると、片方が見えない。盲点という意味がある。ふたりが互いの盲点に気づき始めたとき溝ができ始め問題が浮き彫りになるのだ。映画は全体的におおらかに描かれているが、息を飲むシーンは多くある。この未熟な青年ふたりから学ばされざる負えない。主演の二人が脚本も手がけており、出身地のオークランドを切り口に広げていく。

まずは知ってみよう。世界は変えられなくても届く場所はあるはずだ。

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