映画の大ヒットとアカデミー賞主演男優賞獲得と共に、昨年からしばらく賑わせてくれている話題作「ジョーカー」。ホアキン・フェニックスのアカデミー賞獲得は誰もが予想していたことだけれど、新たにジョーカーがスクリーンに登場するたびヒース・レジャーに勝るのかどうなのかって話も止まらなかった。私だけかもしれないけど
ヒースが演じた「ダークナイト(’08)」は対バットマンとの死闘を描いた作品であり、バットマンありきのジョーカーである。それと始めからジョーカーが完成されてるヒースに対して、ジョーカーになる過程を演じているホアキンとでは、比べるには難しい。
監督トッド・フィリップスが公開してくれたこの動画で、ホアキンのジョーカーが初めて世に出たとき、この不気味な空気を感じたけどワクワクもした。それと同時に監督であるフィリップスのそれまでの作品がコメディばかり(ハングオーバー(’09)など)だったから、どう描くかが気になった。
「違った作品でも、同じ演技をする俳優は演技が下手だというわけではない。スターは、本人そのものを演じる。」と聞いたことがある。思い返せば、石原裕次郎も木村拓哉もブラピも、いつ見ても彼らは変わらない。スターだからだ。ホアキン・フェニックスはスターではない。彼ほどスクリーンで見かけるたび正体不明な俳優はいない。毎回どの作品を観ても誰だか分からないから驚かせれる。ホアキンは天才だ。
ここまで良かった良かったと言ってきたものの、映画「ジョーカー(’19)」は、もう観たくないなぁと思う作品の一つでもある。ジョーカーになるまでの過程を描いてるということは、一人の人間がどの様にモンスターになっていくかの話であって、この映画の見所は”日常で起こる人間の恐怖や不安”だ。この世で怖いのは、お化けでもなく、エイリアンでもなく人間だ。ホアキンのジョーカーは人間味(恐怖)を感じさせるが、愛着は持てなかった。「所詮、ジョーカー は漫画のキャラクター」という世界観は全く存在しなかった。
公開初日に観に行くと、ほぼ満席だった。初日は観客の”モチベーション”が違う。映画に込められた期待や興味が高いがゆえに一体感を感じさせてくれる。観たい!と懇願するほどの映画は初日に行くのをオススメする。満足感が違う。あー映画館に行きたい。私と同じ想いをしている人もこれを読んで楽しんでいただけただろうか。
この記事へのコメントはありません。