おすすめされた物は素直に従え「ストレンジャー・シングス 未知の世界」

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海外ドラマがこんなに好きなのに私は、あんだけ有名な「ウォーキングデット」を観ていない。あれがゾンビだけのドラマではなくヒューマンドラマだってことぐらいは知っているし、ゾンビが怖いわけじゃない。人気を不動のものにし続けている「オレンジ・イズ・ニュー・ブラック」が「プリズン・ブレイク」の二の前だろうとか思ったこともない。世の中には、大ヒットをし続けている海外ドラマばかりだけどハマることがわかっているから恐ろしくて手が出ないのだ。この先も、何かが私に起こらない限りこの作品達を観ることはないのかなと思う。

面白いと聞いてはいるけど観てない作品なんて山ほどある。みんなもそうではないか。「ストレンジャーシングス」もその一つだった。あれだけの大ヒットと社会現象を知っていたにも関わらず予告を観てもそそられなかった。友達とNetflixの話になるたびに「ストレンジャーシングスが面白い」と話題に上がるが、誰も詳しく魅力を話してくれないのだ。「とりあえず観ろ」とひたすら説得されるだけ。今でこそ感謝するが「とりあえず観ろ」という友人の説明不足の熱弁を信じて観たことが、結果的にこの作品の評価をさらにあげることになった。当たり前のことだけど、情報(ネタバレ)を沢山に仕入れると作品の魅力は激減する。私も人に勧める時は「とりあえず観ろ」とだけ伝えるだろう。

海外ドラマでよく「あなたは眠れなくなる!」とCMにつくが、このキャッチフレーズにバッチリハマった作品に出会ってしまったの久しぶりのことだった。予告を観てそそられなかった私だけど、この裏切りにはかなりゾクゾクした。

1980年代のアメリカインディアナ州で、ある夜ウィルという少年が行方不明になる。街全体が行方を探す中、友人の少年グループは行方を絶ったとされる森の中である少女に出会い、彼女がウィルを探す手掛かりだと信じる。少女は誰なのか?ウィルはどこに行ったのか?謎が謎を呼ぶ。

人々がハマる理由は必ずある。このドラマはただのSFではない。友情と子供の冒険を中心に不思議な物語が進む。どこか「グーニーズ」、「スタンドバイミー」や「E.T」のように80年代の映画の懐かしいシーンが漂う。ダサくて大げさな服装や髪型もまたこの時代設定の魅力だ。彼らが乗っている車やチャリンコもアメリカ独特で個人的に大好きだ。1980年代に少年時代を過ごした大人は特にハマる。携帯もない、秘密基地や秘密が持てた過保護ではない時代だったからこそ描けている。そう意識されて作られている。

原案者や監督が意識して80年代の映画の雰囲気を取り得ているのなら、「シザーハンズ (’90)」のヒットを機にアイドルになったウィノナ・ライダーが行方不明の少年ウィルの母親役にキャスティングされたことは願ってのことだろう。彼女のおどおどした目の動きや演技はこのドラマには欠かせなものになっている。彼女くらいの大物も出演しているが、このドラマはあくまでも子供の冒険が魅力の中心になっている。多くの子役がこのドラマを機に大物になっていようとしている。12歳から15歳の子役が活躍しているが、シーズン2に彼らが声変わりしていたり背が伸びていたり、子供ならではの成長も面白い。

かなり作り込まれた作品であるのは間違いない。海外ドラマで大切になってくるは、伏線の素早い仕掛けと細かさと、それらの辻褄に限る。シリーズを重ねるごとに辻褄が強引になって評価が下がるが作品がほとんどだけど、この作品はそんな心配がないくらいパフォーマンスが最高だ。

シーズン3は今年の7月4日、アメリカ独立記念日に配信開始されることが発表され、新しい予告が小出しに公開し今私たちは焦らされている状態だ。シーズン3の舞台である1985年と2019年は暦が一緒だという奇跡も重なる。控えめに言って、家族が集まるこの大切な祝日に「花火をよそに片手にはタブレットでストレンジャーシングス」みたいなアメリカ人がほとんどだろう。それくらい盛り上がるのは仕方がない。

私はこの作品がきっかけで学んだことがある。おすすめされたら素直にそれに従うべきだ。面白いと言われているのは、だいたいそれは面白いから。7月4日の配信スタートまで、みんなを説得するには十分時間がありすぎる。とりあえず観ろ。諦めてこの言葉に従うべきだ。

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